サイリスタノイズ
照明やヒータなどのサイリスタ利用機器が動作することにより発生することが多く、切り込み状の波形が特徴。
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サイリスタノイズは、切り込み状の電圧波形が特徴的で、急激にゼロボルトまで立ち下がる波形から、ゼロレベルディップと呼ばれることもあります。
また、このノイズは位相制御に連動して、時間軸方向にその切り込み状の波形が移動するように見えるのが特徴的です。
切り込み状のパルスの時間幅から周波数を計算すると2kHz~8kHz程度ですが、実際には急峻に立ち下がる部分には、高周波成分も多く含まれています。
サイリスタ位相制御は、主に大型の照明設備や電気炉・ヒータなどで使われていることが多く、サイリスタをオンさせる位相(タイミング)を変化させることで、出力電圧を連続的に制御する方法のひとつです。電圧を直接制御できるので、抵抗制御のように電流を熱として捨てる無駄がない制御方式です。
しかし、回路電流が正弦波ではなく、ある点で急激に電流が流れることとなるために、電圧ノッチ(サイリスタノイズ)が発生して、他の電子機器に悪影響を与えてしまうことがあります。
このような特徴があるサイリスタノイズは、交流電圧のゼロクロス点を検出して制御している機器の誤動作の原因や、弱電機器の素子破壊などの原因となることが多いです。