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地域冷暖房システムでエラーが多発する

導入事例
2019.08.22

この記事はトラブルの内容を分かりやすくご紹介するために、情報を簡略化して掲載しています。

E社新工場

E社は業務拡大に伴い、新工場を建設しました。

現在の日本はエネルギーの大半を化石燃料に頼っており、化石燃料の供給源である海外情勢の変化が国内のエネルギー事情にダイレクトに影響してしまい、エネルギー供給構造の脆弱化が懸念されています。このような状況に対応するために、近年は「低炭素社会」の実現が注目を集め、2050年までの温室効果ガスの60~80%削減が目標となっています。

「低炭素社会」を実現するための手段の一つが「スマートエネルギーネットワーク」で、複数の工場やビル・商業施設が熱・電気・情報のネットワークを構築し、地域全体で熱・電気の効率的な利用を目指すものです。

E社新工場はスマートエネルギーネットワークの一環として、都市ガスを燃料にして発電する「コージェネレーションシステム」や、工場から出る排熱を貯めて有効活用する「地域冷暖房システム」を導入しました。これらの設備は中央監視システムにより24時間体制で管理され、エネルギー使用が効率的になるよう制御されています。

ところが、実際に運用が始まると、流量エラー・温度エラー・動作エラーの警報が不定期に鳴るようになりました。警報が鳴るたびに設備担当者が点検を行いますが、設備の異常は全く見当たらず、設備担当者を困惑させていました。

PLCの電源ラインに侵入したノイズが誤動作を引き起こしていた

空調や蓄熱層・コージェネ・照明などスマートエネルギーネットワークを構築する各設備には、その状態を検知するセンサが取り付けられていました。センサから送られた信号はPLCで処理され、各設備に異常が無いか判断します。PLCが異常と判断すると、中央監視システムで警報が鳴ります。

異常が無いのに警報が鳴るということは、この異常を監視する仕組みのどこかに問題が起きていると考えられました。

そこで各設備の状況を集約しているPLCの電源ラインを観測したところ、不定期なノイズの侵入が確認されました。PLCがノイズの影響を受けることで、各センサの情報を正常に処理できなくなると、中央監視システムで誤警報が鳴ってしまう可能性があります。

次に、何がノイズ発生源となっているのかを調べたところ、蛍光灯や盤内ファンモータ、その他さまざまな装置からノイズが発生していることが判明しました。これらのノイズは、発生頻度やノイズレベルがランダムであり、どのようなタイミングで誤警報が鳴るかを予測するのは難しい状態でした。

各PLCの電源ラインに障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™》を装着した

そこで、様々な装置で発生するノイズがPLCへ侵入するのを防止することで、トラブルを改善しようと考えました。具体的には、各PLCの電源ラインに障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™》を装着することで、伝導ノイズがPLCに侵入するのを防止しました。その結果、中央監視システムで誤警報が鳴ることは無くなりました。

ここがポイント!!

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