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サーボ式計量システムにおいて、計量コントローラからのアナログ信号がふらつく

導入事例
2021.01.20

この記事はトラブルの内容を分かりやすくご紹介するために、情報を簡略化して掲載しています。

プラスチック製品製造会社 B社

B社は、樹脂原料ペレットを加工して様々なプラスチック製品を製造しています。B社の工場は製造工程のほとんどが自動化され、工場の各所に設置されたセンサの信号をもとに、コンピュータが自動運転を行っています。

ペレットの分量を計量する工程では、ベルトコンベアで搬送したペレットを、サーボ計量システムが適切な量に計量し、次の工程に投入します。

計量システムのゲートはサーボモータで駆動します。ゲートに取り付けられたポテンショメータがゲートの開度を検出し、その情報をアナログ信号としてPLCに送ります。PLCは、そのアナログ信号や他の情報に基づいてゲートをどのように動かすか計算し、サーボドライバに信号を送ります。PLCの信号に基づいてサーボドライバがサーボモータの動作量を制御し、ゲートの開度を調整します。このようにゲートの開度をリアルタイムに調整することで、ペレットの正確な計量を行います。

ところが、工場の稼働中にゲートが小刻みに開閉してしまい、正確な計量が出来ないというトラブルが発生しました。ゲート開閉部の故障やプログラムのバグ、サーボの故障など、様々な点を確認しましたが問題は見当たりません。ペレットの計量に問題があると生産に大きな影響が及ぶため、大至急問題を解決する必要がありました。

サーボ動作時に流出する高周波ノイズが空間に伝播し、アナログ信号に混入した

今回のケースのように、アナログ信号を用いる装置で不具合が発生した時、アナログ信号に高周波ノイズが重畳している可能性があります。そこで、ゲートが小刻みに開閉している時のアナログ信号の波形を観測したところ、やはり高周波ノイズが重畳していることが確認されました。アナログ信号に高周波ノイズが重畳したことで、開度の情報がおかしくなり、その結果不具合が発生したのだと考えられます。

次に、この高周波ノイズがどこで発生しているのかを調べました。工場内にある高周波ノイズの発生源となりそうな機器のスイッチをON―OFFし、アナログ信号に重畳する高周波ノイズに変化があるか観測します。その結果、ゲートを動かすサーボドライバがONになるとアナログ信号に高周波ノイズが重畳し、サーボドライバがOFFになると高周波ノイズが無くなることを確認しました。このことから、サーボON時にサーボドライバから流出した高周波ノイズがアナログ信号に混入したのだと推測しました。

そして、この高周波ノイズがどのような経路でアナログ信号に混入しているのかを調べるために、サーボドライバの電源ラインに障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》を装着しました。高周波ノイズは、電源線や信号線を伝播経路とする「伝導ノイズ」と、空間を伝播する「放射ノイズ」に分類できます。仮にサーボドライバから流出した高周波ノイズが伝導ノイズである場合、サーボドライバの電源ラインに《ノイズカットトランス™️》を装着することでアナログ信号に重畳していた高周波ノイズが無くなり、不具合が改善されます。しかし、今回は《ノイズカットトランス™️》を装着してもアナログ信号に高周波ノイズは重畳したままでした。

以上のことから、サーボドライバから流出した放射ノイズが不具合の原因であると推測しました。

しっかり電磁シールドして放射ノイズを封じ込める!

放射ノイズによる不具合を改善するには、電磁シールドをしっかりと施すことが重要です。まず、サーボドライバの電源ラインに《ノイズカットトランス™️》を装着したままにしておき、電磁シールドを施す範囲を最小限に絞り込みます。次に、ケーブルからノイズが放射するのを防止するために、《ノイズカットトランス™️》~サーボドライバ間のケーブルと、サーボドライバ~サーボモータ間のケーブルに電磁シールドを施しました。このように、電源ラインを高周波の帯域まで確実にアイソレーションし、さらにケーブル全体をしっかりと電磁シールドすることで、放射ノイズが流出する隙間を完全に埋めることができ、不具合を改善することができました。

ここがポイント!!

同様のトラブルでお困りの方は、当社までお気軽にご相談ください。

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障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》とは

障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》をもちいたノイズ対策の基本的な考え方


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