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センサのノイズ対策

導入事例
2018.12.27

この記事はトラブルの内容を分かりやすくご紹介するために、情報を簡略化して掲載しています。

センサの高性能化とノイズ障害の増加

目に見えない「現象」を、目に見える「数値」に変換するセンサは、現代社会に欠かすことのできないものであり、IoTが普及する上で重要な役割を担っています。

センサメーカー各社は競って高感度化・広帯域化を進めています。これにより、センサを搭載する機器の性能は目覚ましい向上を見せています。

一方で、高感度化・広帯域化したセンサは、これまで問題とならなかった微細なノイズにも敏感に反応し、様々なノイズトラブルの要因となっています。

今回は、最先端センサに起きたノイズトラブルの事例とその対策方法をご紹介します。

振動試験機メーカーの直面した問題

B社様は、振動試験機を製造販売しているメーカーです。

私たちの身の回りには様々な工業製品があります。それらの工業製品を使用中に事故が起きると、時に人命に関わる大けがをすることがあります。そのため、出荷前の厳密な試験が求められています。

B社様が製造販売している振動試験機は、輸送中の振動や、使用中の摩耗に対する耐久性を試験する装置です。振動試験機には多種多様なセンサが内蔵され、状態の変化を多角的に測定します。測定結果にノイズがのると、その試験データは使い物になりません。B社様はノイズのない正確なデータを測定できるよう、これまでも十分に注意を払っており、その製品はお客様から高い評価を得ておられました。ところが、従来の対策方法では解決が難しいトラブルに直面してしまいました。

一部の納入先で正確な測定ができない!

B社様の振動試験機は、出荷前検査で正常に測定できることを確認した上で納品されています。大半の納入先では問題なく測定データが得られていました。しかし、一部の納入先で、正確な測定ができないという不具合が報告されました。

全ての納入先で問題が発生していれば、問題の原因は製品そのものにあると考えられます。しかし今回の場合、問題が起きたのは一部の納入先だけであり、多くは正常に稼働しています。そのため、今回のケースは納入先の環境に原因があるのだろうと推測しました。

実際、B社様による測定で、納入先にノイズが存在することは確認できています。ですが、納入先の環境を改善することは難しく、B社様の製品のノイズ耐性を強化する必要に迫られました。

納入先の環境に左右されない強固なノイズ対策をしたい

B社様からの依頼内容は以下の通りでした。

  • 特定の納入先で発生したトラブルを解決したい
  • 納入先の環境に左右されないノイズ対策を教えてほしい

ノイズの侵入経路を遮断する必要あり!

ノイズには空中を伝わる放射ノイズと、電源線を伝わる伝導ノイズがあります。B社様が採用されているセンサは高感度・広帯域のものであるため、微細なノイズにも敏感に反応してしまいました。そのため、トラブルを防止するには、ノイズの侵入経路を完全に遮断する必要があります。

センサに対するノイズの侵入経路としては、

  • センサの先端
  • センサに接続された信号線
  • センサの電源ユニット

の3点が主に考えられます。よって、これらへの対策を行うことにより、環境に左右されることなく正確な測定ができるようになります。

周囲から電気的に分離する

まず、センサの電源ユニットへ《ノイズカットトランス™》を装着し、電源から侵入するノイズを除去しました。そして、信号線およびセンサの先端までシールドを施し、空中からのノイズの侵入を防止しました。

対策後、測定データにノイズがのることは無くなり、問題なく試験が行えるようになりました。

まとめ

【ポイント1】

高感度化・広帯域化が進むセンサは、納入先の環境によっては、ノイズの影響を受けてしまう可能性があります。

【ポイント2】

こうした場合には、ノイズの侵入経路を特定し、ノイズを遮断することが必要です。

【ポイント3】

電源から侵入するノイズに対しては、電源ユニットへの《ノイズカットトランス™》の装着で対策します。

【ポイント4】

空中を伝わる放射ノイズの侵入に対しては、信号線およびセンサの先端までのシールド処理で対策します。

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障害波遮断変圧器《ノイズカットトランス™️》をもちいたノイズ対策の基本的な考え方

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