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EMI対策とは?EMSとの違いと基礎を解説

ノイズ対策入門
2024.06.20

この記事ではノイズ対策を行う上で知っておきたい基礎的な知識をわかりやすくご説明します。

EMI対策とは、ノイズの発生源となる電子機器からノイズが流出することを防ぐ対策になります。ノイズ対策におけるEMI対策は、専門的な技術力・知識が求められますが、品質や性能に優れた製品やシステムの製造・開発に直結するためとても重要です。

この記事では、EMI対策とEMS対策の違い、EMI対策の必要性、具体的な対策方法など、基礎をわかりやすく解説します。

EMI対策とは?

ノイズは、「必要とする信号や電力に混入して、妨害を与える不要な電気的成分」です。わかりすく表現すると、電子回路に侵入し、機器の様々な不具合を引き起こす不要な電気や電磁波のことです。EMI対策は、情報通信機器・医療機器・家電製品など、さまざまな電子機器や電気機器を使う際に考えなければなりません。

関連ページ:ノイズ対策とは?ノイズの基本と対策方法を徹底解説

 

EMI対策の必要性

EMI対策は、電子機器が日常生活に不可欠な存在となった現在、必要とされる取り組みの一種です。

 電磁波が、電磁的な干渉やその他の要因により電源線や信号線にノイズが侵入すると、伝送すべき信号に不要な電磁波が侵入し、信号の品質が低下したり、意図しないタイミングで機器が動作したりすることがあります。その結果、電子機器の様々な不具合を招く可能性があるのです。

 一般的な電子機器は、EMC規格(EMCについて厳守すべきルールで、ノイズ規格とも呼ぶ)をクリアすることで、トラブル発生確率を低下できます。しかし、規格準拠の製品を使用しているにも関わらず、ノイズトラブルが起きることも。工場や施設など実際の市場や現場では複数の機器が使われているほか、環境によっても様々なノイズが発生することがあります。それらが互いに干渉し合い、機器の不具合へとつながりやすくなるのです。

電子技術が普及すればするほど、電気・電子機器やシステムが発するノイズが周辺機器やシステムへ与える影響は大きくなります。現代においては無視できない対策です。

  

EMI対策とEMS対策の違い

EMI対策とEMS対策は、ともに電子機器を扱う際に配慮すべき要素であり、以下のような違いがあります。

 

  • EMI対策

EMI対策(Electro Magnetic Interference:電磁波妨害・エミッション電磁干渉)とは、電子機器から電磁ノイズが流出することを防ぐ対策です。主にノイズが発生している電子機器に対して行う対策のため、発生源対策とも呼ばれます。

  • EMS対策

EMS対策(Electro Magnetic Susceptibility:電磁感受性・イミュニティ電磁妨害)とは、周囲の電子機器から流出した電磁ノイズによる悪影響を防ぐ対策です。主にノイズの被害を受けている電子機器に行う対策のため、被害装置対策とも呼ばれます。

 

この2つを合わせてEMC対策(Electro Magnetic Compatibility:電磁両立性)と呼びます。

EMC対策の概要

関連ページ:EMC対策とは?知っておきたい基本を解説

 

電子機器ごとのEMI対策の傾向

電子機器ごとにノイズの発生源となりやすいものと、被害を受けやすいものに分かれます。

EMI対策は、ノイズの被害を受けやすいものに悪影響を与えないようにするために、電子機器でノイズが発生することを抑制し流出させないようにする対策なので、発生源対策とも呼ばれます。各電子機器の傾向を理解することで、効率的にノイズ対策を行うことが出来ます。

 

ノイズ発生源になりやいすい機器

電気には、エネルギーのために使う電気である「強電」と、信号として使う電気の「弱電」があります。「強電」を使用する設備には、付帯電気設備や追加電気設備があり、ノイズを発生しやすいさまざまな設備機器があります。

 

分類

機器の例

付帯電気設備

工場などの建物が完成したときから付帯して備わっている電気設備

  • 力率改善装置
  • 照明機器
  • クレーン
  • コンプレッサ
  • 空調機     

など

追加電気設備

企業の活動や生産のために導入された電気設備

  • インバータ・サーボ
  • 放電加工機
  • レーザー発生器
  • NC機器・溶接機
  • 電磁弁・リレー
  • 高周波誘導加熱炉

など

その他

本来はノイズを発生しないのに突然ノイズを発生する機器

  • 絶縁が低下している機器
  • 接触不良を起こしている機器
  • 静電気を帯電している機器

など

 

被害装置になりやすい機器

一方、「弱電」を使用する機器は、各種センサーや制御機器や通信機器が多く、わずかなノイズが侵入しただけでも、機器の誤動作が起きやすくなります。

 

分類

機器の例

センサー系

温度・圧力・光・音などの物理的、化学的な現象を電気信号に変換して出力するデバイスや装置

  • 熱電対
  • 流量計
  • 歪みゲージ
  • ロードセル
  • エンコーダー
  • イメージセンサー

など

制御系

検出部信号やフィードバック信号受け、動力回路などを適切にコントロールする装置

  • DCS
  • PLC
  • 各種専用コントローラー
  • FA用PC

など

信号/通信系

制御装置のI/O信号や制御装置間の通信など

  • アナログ/デジタル信号
  • RS232C通信
  • USB通信
  • CC-LINK
  • MECHATOROLINK
  • CAN通信

など

 

まとめ

EMI対策は、製造・開発する機器やシステムの信頼性や安全性を確保するために不可欠な取り組みです。適切に実施することで機器のパフォーマンスを最大限に高めることが可能となります。ただしノイズ発生のメカニズムは複雑なため、EMI対策をおこなうには、技術的な知識やスキル、規制に関する知識が必要です。

ラインノイズ防止素子《ノイズカットトランス》を開発・実用化した電研精機研究所では、EMI対策についてのお悩みも承っております。お気軽にご相談ください。

関連ページ:電研精機研究所のノイズ対策


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